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家族信託 信託金銭で不動産を購入した場合の不動産登記
先日、信託契約書作成と信託登記を担当させて頂いたお客様からご連絡があり、信託金銭で不動産を購入することになったので、今回も不動産登記を担当させていただくことになりました。
受託者が預かっている信託金銭で第三者から不動産を購入するとその不動産は信託財産になります。「信託金銭で不動産を購入できるのか」はこちらのブログで。
委託者が山田父郎、受託者がこの子である山田子太郎とします。そして田中一郎が所有する不動産を信託金銭で購入したとしましょう。
売主である「田中一郎」と受託者である山田子太郎との間で不動産の売買契約を締結し、「所有権移転及び信託財産の処分による信託」の登記を行います。
「所有権移転登記」の登記義務者は売主である田中一郎さん、登記権利者は受託者である山田子太郎さん。
「信託財産の処分による信託」については受託者が単独で申請を行います。
売買契約だけでなく登記申請に際しても、委託者である山田父郎は関与しません。信託により金銭及び不動産の管理処分権は受託者に移っているからです。たとえ委託者の判断能力がなくなっていたとしても、信託契約後には委託者は関与しませんから委託者の判断能力の有無に関係なく不動産取引を行うことができることになります。
不動産を信託財産とした場合との違い
「所有権移転及び信託財産の処分による信託」の登記を行うと次のような登記がなされます。
不動産を信託財産とした場合に行う「所有権移転及び信託」の登記と違う点が2つあります。
「所有権移転及び信託」の登記はこちらのブログで。
(1)所有権移転の原因が「信託」ではなく「売買」
信託金銭で不動産を購入したのですから、「信託」ではなく「売買」とあるのは当然といえば当然ですね。
(2)「受託者」ではなく「所有者」として受託者の氏名住所が登記される
受託者として不動産を購入しているので本当の意味での所有者ではありませんが、登記手続き上「所有者」として受託者の氏名住所が登記されます。
ただし、所有権移転登記と同時に「信託財産の処分による信託」を行いますので、この不動産が山田子太郎の固有財産ではなく「信託財産(今回の場合は信託金銭)を処分したことにより信託財産となった」ことがはっきりと公示されることになります。
信託財産としての不動産ですので、次のような信託目録(一部省略)も登記されることになります。
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