解決事例

遺言を撤回・取り消す方法を教えてください。

ご相談内容
数年前に作成した公正証書遺言の内容を変更したいと考えています。
ですが、具体的にどのような内容に変更するのかまだ決めていません。

後日、改めて遺言を書き直したいと思っていますが、遺言を書き直す前に私が亡くなってしまうと、今ある公正証書遺言の内容どおりに遺産が相続されることになります。

今、公正証書遺言の内容を全部撤回・取り消しておきたいのですが、どうすればいいのでしょうか。
解決内容
遺言を書いたあと家族関係や財産状況が変化したため、「遺言の内容を一部変更したい」「遺言の全部を撤回・取り消したい」と遺言者が思われることは決して珍しいことではありません。

遺言を書く自由があるように、遺言を撤回するのも遺言者の自由です。
遺言者はいつでも遺言を撤回することできる、と法律でも認められています。

遺言の撤回の方法の一つに、前の遺言と内容が抵触する遺言を行うという方法があります。
変更する内容が決まっていれば、新しく遺言を書き直します。新しい遺言の内容が前の遺言の内容と抵触している、つまり異なっている場合、新しい遺言が優先され前の遺言は撤回したものとみなされます。

ですが、ご相談者の方の場合、変更後の内容が決まっていないため新しく遺言を書くことができず、この方法で遺言を撤回することはできません。

そこでご相談者の方に、公正証書遺言を全部撤回、という内容の自筆証書遺言を作成してもらうことにしました。
このように「遺言を撤回する旨の遺言」を作成することで、遺言を撤回することが可能になります。

今ある遺言を撤回していただきましたので、これで安心して新しい遺言の内容を考え直して頂けると思います。

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