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家族信託の方法〜信託契約書の作成
家族信託を行う場合、「信託契約」「遺言信託」「信託宣言(自己信託)」といった3つの方法があります。信託で一番利用されているのが「信託契約」による方法です。ここでは「信託契約」による家族信託の方法をご説明します。
財産を持つ者(委託者)が財産を託す相手(受託者)との間で、特定の目的のために財産の管理や処分を任せる、という内容の契約を締結します。これを「信託契約」と呼びます(信託法3条1項)。
信託を行うことも契約の一種ですから、委託者と受託者との間で信託契約を締結することで効力を生じます。口頭でも契約は成立しますが実際には「信託契約書」を作成します。
信託契約書に記載すべき内容は、信託を行う目的、信託財産の管理処分方法、信託がいつ終了するのか、終了した場合に信託財産を誰が承継するのか、といった事項がありますが、どのような内容にするのか委託者と受託者との話し合いで決定した事項を信託契約書に記載します。
家族で行う家族信託の場合、一般的な信託契約書に記載する主な事項には次のようなものがあります。
(家族信託における信託契約書に記載する一般的な事項)
1、信託の目的 |
2、信託財産 |
3、信託財産の管理、処分の方法 |
4、信託期間 |
5、委託者について |
6、受託者、第二受託者について |
7、受益者、第二受益者について |
8、信託財産の給付の方法 |
9、信託報酬 |
10、信託の変更 |
11、清算に関する事項 |
12、残余財産の帰属者 |
信託契約書の締結後は、受託者は信託契約書に記載された信託目的の達成のために、信託契約書に定められた信託財産の管理処分等を行います。つまり信託契約書をどのような内容を定めるのかが重要になってきます。
どんな財産を受託者に託し、どのような権限を受託者に与えるのか、委託者と受託者とで話し合いを行い信託契約書を作成していきます。
例えば、委託者と受託者とで話し合った結果、アパートと駐車場を信託財産とし自宅の土地と建物は信託財産にしない、という場合もあるでしょう。
受託者に与える権限については、信託財産である不動産を売却したり賃貸できる権限を与えることもできますし、逆に不動産を賃貸できる権限のみ与えて売却は認めない、といったように受託者の権限に制限をかけることも信託法で認められています。
このように信託契約書は家族の目的や希望に合わせて作成しますので、定型のサンプルに文言を当てはめていくだけで簡単に信託契約書が作成してできる、ということはないのです。「信託契約書は家族それぞれのオーダーメード」なのです。
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