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おすすめの一冊『弥勒の月』あさのあつこさん
本を二度読み返すことはあまりしたことはない。
読んだ時のイメージを良きも悪しきもそのまま残したいと思うので。
でも、今日ご紹介する『弥勒の月』は読み終わってからも、もう一度読みたくて仕方がなかった一冊。
↑↑↑「弥勒の月」光文社文庫 あさのあつこさん
物語はこんな出だしから始まる。
「月が出ていた。丸く、丸く、妙に艶めいて見える月だ。女の乳房のようだな。」
なんだかこれだけでも「ん、女の乳房、月が?どんな物語なんだろう」とぐっと一気に物語の世界に引き込まれてしまう。
物語のあらすじは、
ある小間物屋問屋の若女将が江戸の町を流れる川に身投げをする。
夫の過去に疑問を持った同心の木暮信次郎と岡っ引の伊佐治が、件を調べ始めると。。。。
様々な人たちの修羅場のような人生と運命の糸が複雑に絡み合って、最後は誰もが及びもつかない結末を迎えることに。
時代小説なのにミステリー小説のような物語の展開が面白い。
そして最大の魅力は、作者のあさのあつこさんの、
登場人物の心の闇に隠されている部分をぐさりと突き刺して抉る(えぐる)ような言葉で書く文章。
ほかの本では出会うことができない。
なんども読みながら、「ん〜、こんな表現されると参ったなあ」と読んでる私の心まで抉り取られてしまった。
そして、その文章を読んでいると、物語の人物を通じて
「人は生きる目的でなく生きる理由があれば生きていけるのでは」
そんなことを読書を中断して何度も考えさせられる。
さらに、この本のもう一つの魅力は、短い文章で語られる風景の描写。
たとえば、
今まさに本を読んでいる自分が、
江戸のとある小間物屋問屋の座敷の片隅で煙と線香の香の中にいるような、そんな感覚になるから面白い。
次はどんな描写で私を物語の世界へ連れて行ってくれるだろうか、
と一度この楽しみを味わうと、もう作者の世界にドッブ浸かってしまう。
読み終えた後にこそ心の中にずっしりと、
「私の生きる理由とはなんだろうか」
と考えさせられる、そんな私の大切な一冊だ。
みなさんにもぜひ、手にとってもらいたい一冊です。
次回も心に残る本をみなさんにご紹介していきますので
お楽しみに。
弥勒の月 (光文社時代小説文庫)
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