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生前贈与の方法
民法では贈与を次のように定義しています。
民法第549条
贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
つまり、あげる者(贈与者)ともらう者(受贈者)との間で、「あげる」「もらう」という意思の合致があり、受贈者はもらった財産の所有者として財産を自由に使えることで贈与が成立します。
例えば、私が私のノートパソコンをあなたに贈与したとします。贈与を確実に成立させるポイントは4つです。
1、私にはあなたにノートパソコンを「あげる」意思があって、
2、あなたには私からノートパソコンを「もらう」意思があること。
3、これからはあなたがノートパソコンを自分のものとして自由に使えること。
もし私があなたに内緒でノートパソコンをあげたとしても贈与は成立しない、ということになります。
相続税対策の一環としてよく行われる祖父から孫への金銭の生前贈与の例で考えて見ましょう。
金銭を贈与することについて祖父と孫との間で贈与の意思の合致がなくては贈与は成立しません。よって祖父が孫に内緒で相続税対策のために金銭を贈与をしても孫が贈与に関与していなければ贈与は成立し得ません。
そして、贈与した金銭を今まで通り祖父だけが使えるようにしている、例えば孫の通帳に金銭を贈与として振り込んでも、孫の通帳とハンコを祖父が預かって祖父だけが引き出せるようしているのであれば実質的には贈与は成立していない、と税務署などは判断する可能性があります。
特に不動産を生前贈与する場合、確実に生前贈与を成立させるためのポイントがあります。
■不動産の生前贈与のポイント
1、口頭ではなく「贈与契約書」を必ず作成すること
2、受贈者が、不動産の贈与を受けたことを認識すること
3、贈与税などの税が発生する場合は必ず申告すること
4、贈与による所有権移転登記をすみやかに申請すること
上記のポイントのうち、4の「贈与による所有権移転登記の申請」は登記をいつまでに行うのか、という期限がありませんので忘れがちになります。しかし、しっかりと受贈者が所有権を取得していることを公示するためにも、名義変更の所有権移転登記は速やかに行うようにしましょう。
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