スタッフブログ
遺言書と家族信託
先日の月曜日、神戸公証センターで信託契約書と遺言書を
同時に公正証書で作成するお手伝いをさせて頂きました。
遺言を書かれた方は、な、なっ、なんと94歳の女性の方。
神戸公証センターはJR神戸線の元町駅から歩いて5~7分くらいの所で、
神戸っ子の大好きな神戸大丸の東側にあるのですが、
なんとその女性は自宅から自分で電車に乗り、
元町駅から歩いて神戸公証センターまでやって来られました。
94歳といえばかなりのお歳ですが、今まで病気一つされたことがなくとってもお元気。
その上、とってもお茶目で素敵なおばあちゃまです。
ですが、いくらお元気とはいえ、
これから今まで通り預貯金や自宅を管理していくのは大変なこと。
そこで今回、ご自宅を家族信託することで、受託者になる子供に管理を任せることにしました。
信託契約書の内容を私が起案させて頂いたのですが、
たとえ女性が認知症になっても、
自宅を売却したり、あるいは賃貸に出すことで
介護施設の入居資金やこれからの介護費用をちゃんと用意できるように、
信託契約書を設計させて頂きました。
さらに、もし将来、女性がお亡くなれば残った信託財産を誰が引き継ぐのか、
女性と、ご家族と、私も含めて何度も何度も話をして、
信託契約書に記載しました。
このブログを読んでいただいている方の中には
『亡くなられた後のことも信託契約書に書くのであれば、遺言書はいらないのでは?』
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
信託契約書には、
女性が亡くなり信託が終了すると、残った信託財産を誰が引き継ぐか、を書くことが出来ます。
ですが、
信託しなかった財産まで、誰が引き継ぐのかを信託契約書に定めることは出来ません。
そこで今回、女性は自宅以外にも不動産をお持ちでいらっしゃったので、
信託契約書とは別に、自宅以外の不動産を誰に引き継がせたいのか
ご自分の思いを遺言書に遺されたのです。
『信託契約書と遺言書』
「この二つを書くことで、残された家族が不公平にならないようにしたい。」
そんな女性のお気持ちを形にすることが出来たのかな、と
終わってみて今、感じています。
一度に信託契約書と遺言書を作成するとなると
打合せなどが大変でしたが、私にとってとても充実感があったお仕事でした。
そんなお仕事を担当させて頂いたことに、感謝です。
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