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相続・遺言ワンポイント動画【相続登記編】令和6年4月1日から「相続登記の義務化」が始まります
皆さんこんにちは。司法書士国本美津子の相続・遺言ワンポイント動画です。
この動画では相続・遺言のポイント分かりやすくお伝えしています。
今日は、令和6年4月1日から開始する「相続登記の義務化」についてお話いたします。
◆相続登記の申請は任意
「相続登記」という言葉を初めて聞かれる方もいらっしゃると思います。まずは、相続登記について簡単にご説明します。
不動産の所有者が死亡し、その不動産を取得した相続人が法務局へ相続登記の申請を行うことで、不動産の名義が相続人に変更されます。
相続登記とは、相続した土地や建物といった不動産について行う「相続を原因とする所有権移転登記」のことをいいます。この相続登記は「必ずしなければならない」とか、「何か月以内にしないといけない」といった決まりはありません。
相続登記を申請するかどうかは相続人の任意とされています。
◆所有者不明土地が発生
ところが、この今まで任意であった相続登記の申請が法律の改正により義務化されるようになります。
では、なぜ今、相続登記が義務化されるのでしょうか?
不動産の所有者が亡くなったのに相続登記がされないと、登記記録の所有者が故人のままで、所有者が分からない、所有者が判明しても、その所在が不明で連絡が付かない、といった「所有者不明土地」が発生してしまいます。そのため、公共事業や復旧・復興事業が円滑に進まないといった問題が起きています。
国の調査によると、不動産登記簿のみでは所有者の所在を確認できなかった土地の割合が22%になりました。このような所有者不明土地が発生する原因の約66%が、相続登記を行っていないことによるもので、34%が住所変更登記を行っていないことによるものでした。
◆令和3年4月28日「民法等の一部を改正する法律」
そこで、令和3年4月28日、「民法等の一部を改正する法律」が公布され、今まで任意であった相続登記の申請と住所変更登記等の申請が義務化されることになりました。相続登記などが義務化されることで、所有者不明土地問題の解決が図られていく、と期待されています。
では、いつから相続登記などが義務化になるのでしょうか。開始時期を見ていきましょう。
令和3年4月28日、相続登記などの義務化を定めた法律が公布されました。そして相続登記の義務化の施行日を令和6年4月1日とすることが、令和3年12月14日に閣議決定されました。
住所変更登記等の義務化については、この動画を撮影している令和4年1月現在、まだ施行日は決まっていません。法律の公布後5年以内の政令で定める日とされていますから、遅くとも令和8年頃から開始すると思われます。
◆「相続登記の義務化」3つのポイント
ここでは、令和6年からスタートする相続登記の義務化について、3つポイントをお伝えします。一つ一つ簡単に見ていきましょう。
まずは1つ目のポイント、相続登記を申請する期限についてです。いつまでに相続登記を申請すればいいのでしょうか。
不動産の所有者が死亡し相続が開始した場合、不動産を取得した相続人が、その取得を知った日から3年以内に相続登記を申請すること、とされました。ポイントは3年以内です。
そして、正当な理由がないにもかかわらず3年以内に相続登記の申請を怠ると、2つ目のポイント、10万円以下の過料が科せられることになります。なお「正当な理由」の具体的な類型については、今後、通達などであらかじめ明確にされる予定です。
特に注意して頂きたいのが3つ目のポイントです。既に発生している相続も義務化の対象となります。
相続が開始し施行日よりも前に相続による所有権の取得を知った相続人は、令和6年4月1日の施行日から3年以内に相続登記を申請する義務がある、とされました。
つまり、相続が開始しているのにまだ相続登記を行っていない場合も、施行日から3年以内に相続登記の申請を行わないと10万円以下の過料の対象となりますので、注意が必要です。
◆相続登記の義務化に備えて
これからは相続登記の制度が大きく変わります。今までは任意であった相続登記がこれからは、やらなければならない手続きとなり、怠ると過料の対象となります。
施行日までまだ時間がありますが、相続登記の義務化に備えて相続登記がまだの場合や、これから相続が発生した場合は早めに相続登記を申請するよう心掛けましょう。
今回の法律改正では相続登記等の義務化以外に、「相続人申告登記」など新しい制度が創設されました。改正のより具体的な内容については別の動画でご紹介したいと思います。
相続・遺言ワンポイント動画、今日は以上です。
次回もまた皆さんに役立つ相続・遺言のポイントをお伝えしていきます。
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国本司法書士事務所 司法書士国本美津子
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