解決事例

家族信託・お客様インタビュー H様

ご相談者
(お父様とお母様)明石市 H様 (長男様)明石市 H様 (保険代理店の方)S様
ご相談内容
92歳になる父が認知症になれば、銀行口座が凍結されると聞きました。口座から出金できなければ、これからの両親の生活に支障をきたすことになると悩んでいました。
そこで、以前から付き合いのあった保険代理店のS氏より家族信託のことを聞いたのですが、もう少し詳しく教えてください。
解決内容
H様ご家族と、家族信託のことをH様家族にご紹介いただいた保険代理店のS様に事務所にお越しいただき、家族信託の仕組みなどをご説明いたしました。
お父様名義の不動産と預貯金の一部を信託財産とし、長男H様が受託者として管理できるよう次のような信託の設定をすることをお勧めしました。

(信託の内容)
 委託者兼受益者  お父様
 第二受益者    お母様(お父様が亡くなられた後の受益者)
 受託者      長男様
 第二受託者    長男のお子様
 信託する財産   お父様名義の不動産と預金から出金した金銭●●円

お客様インタビュー

家族信託のことを知ったのは、保険代理店S氏から聞かれたことがきっかけだったとお聞きしました。
(長男H様)両親の預貯金の管理方法について悩んでいました。そこで、S氏から家族信託のことを教えてもらい、父名義の不動産と預貯金の管理は家族信託で行おうと思いました。

母の預貯金については、S氏が家族にとって最適な保険を提案してくれましたので、保険加入をすることで将来の相続税対策をすることにしました。
家族信託を行うにあたって、委託者であるお父様はなんとおっしゃっていましたか。
(長男H様)最初、父は「高額な資産ではなし、相続の際には長男が遺産を引き継ぐのだから家族信託はいらない」と言っていました。ですが、高額な資産ではなくても、父が認知症になれば預金を下ろすことが出来なくなることや、父の相続時に母が万が一認知症であれば遺産分割ができなくなり遺産の承継が難しくなることを父に何度も説明しました。

父自身も、自分が預貯金の管理ができなくなるかもしれないと不安に思っていたようでしたので、今の世の中は、将来に備えて法的な対策を取っておくことの大切さを父に話したことで、家族信託の必要性を理解してもらえました。

心配性の母は、家族信託の仕組みを聞き最初から賛成してくれました。
今まで、ご両親と財産の管理やご相続のことについて話をされたことはありましたか。
(長男H様)両親の資産について詳しく知りませんでした。家族信託の手続きを進めるにあたり、両親の資産を確認することができましたし、家族でこれからの資産の管理方法について、家族信託をきっかけに話をすることができました。
打合せのため、何度も明石のご自宅より神戸までお越しいただきました。コロナの影響で打合せができない時期もありました。
(長男H様)打合せは今年(令和2年)1月ごろから始まりましたが、3月以降しばらくの間、コロナの影響で打合せをすることが出来ませんでした。その後、打合わせを再開しましたが、高齢の両親には打合せが負担になるのではないかと心配でした。ですが、父は一度も国本司法書士事務所へ打合せに行きたくない、とは言いませんでした。無事に打合せも終わり、信託契約書も作成できたことで、今は父も母もほっとしていると思います。

(保険代理店S様)
H様ご家族の傍で打合せに参加していましたが、ご両親にとって家族信託はご自身のためでもありますが、子供に迷惑をかけたくないという想いから家族信託をなさっているのだと感じました。コロナの影響で大変な時期での打合せでしたが、お父様とお母様にとっては何としても最後まで完成させたい、という想いで打合せに来られていたのだと思います。
今回、受託者である長男H様がご両親より先に亡くなられる場合に備えて、長男H様のお子様に第二受託者となっていただきました。
(長男H様)子供に家族信託の話をしました。「おじいさんとおばあさんのために、自分が先に亡くなったら受託者になってほしい」、そういうと「いいよ」の一言で引き受けてくれました。これで安心しました。国本司法書士事務所から頂いた「信託事務の手引き」を子供にも渡しますので、その際に信託の運営について説明しようと思います。
無事に信託契約の締結が終わりましたが、H様と同じような悩みで家族信託を行うかどうか悩まれていらっしゃる方に、ひと言メッセージをお願いします。
(長男H様)誰でもいつかは両親の認知症という問題に直面します。誰でもが抱える問題です。ですが、他人に迷惑をかけず、自分と自分の家族を自分自身で守ることが出来るのが家族信託だと思います。家族信託にかかる費用を捻出できるのであれば、一度、検討してみたらどうでしょうか。
保険代理店S様には、最初の打合せから最後までH様家族の傍にいて頂きました。
(保険代理店S様)昨年の秋(令和元年11月)、SOMPOひまわり生命株式会社神戸支社で行われた国本司法書士による家族信託のセミナーに参加し、家族信託のことを詳しく知りました。今まで色々な相続や財産管理のセミナーを受けてきましたが、家族信託セミナーを聞きこれからの高齢化社会には家族信託は必要だ、と強く思いました。

保険のプロとして保険だけを売るのではなく、家族家族に合った保険商品を提供し、さらに専門家と協力しながら遺言や家族信託をご提案ができる能力がこれからの保険関係者には必要だと思っています。

今回、H様ご家族の家族信託の打合せに当初から参加することで、手続きの流れがわかりました。これからは、保険だけでなく、財産管理や相続の視点を持ちながら、お客様に様々なアドバイスや提案を行っていきたいと思っています。
■国本からひと言
今回、コロナの影響でしばらく打合せができない時期がありました。無事に最後までできるだろうかと私自身も不安でしたが、何とか6月ごろから打合せを再開することができ、すべてを終了できた時はほっと一安心いたしました。

S様には最初から最後まで打合せに参加していただき、打合せの後もH様ご家族の不安事や心配事をフォローして頂きました。

H様ご家族には、家族信託で財産管理や相続対策を行うだけでなく、保険も使いながら家族のこれからの生活の充実を図っていただくことができ、ご両親と長男H様にご安心いただける内容になったと思います。

保険の方のお力を借りることで、今まで気が付かなかったことを学ぶことが出来ました。今回、専門家同士が協力していくことの大切さも学ばせていただきました。

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