解決事例

家族信託・お客様インタビューU樣

ご相談者
明石市 U樣
ご相談内容
母に認知症の症状があり父は元気ですが、両親の今後のことが心配です。NHKの朝イチで「家族信託」の特集を見て「わたしの家族にも当てはるのではないか」と感じ家族信託を検討しています。
解決内容
お父さまを委託者兼受益者、長男でいらっしゃるご相談者のU様を受託者とする信託契約の締結をご提案いたしました。信託財産はお父さまのご自宅と現金です。将来、お父さまが亡くなった場合には、第二受益者としてお母様を、受託者である相談者が亡くなった場合に備えて次男の方に第二受託者となってもらうよう契約書で指定しました。さらに今回は、U様の奥様に受益者代理人となっていただいて、家族全員でご両親を家族信託でサポートしていただきます。

お客様インタビュー

家族信託を検討するされたきっかけを教えてください。
平成29年11月ごろNHK朝イチで放送された「家族信託の特集」を父も私もそれぞれ見ていました。母に認知症の症状があり、放送後、将来同じように困るのではないかと思い父に話をすると、父も放送を見て同じ思いを持っておりました。そして、父から家族信託をやりたいと言ってくれました。

ちょうどその時、家族信託のセミナーを国本司法書士事務所が開催することを知り、私と妻そして弟と一緒にセミナーに参加しました。
セミナー後、信託契約の締結に向けて何度もお父さまと一緒に事務所で打合せをさせて頂きました。信託契約を行なう上でご不安だったことはありましたか?
不安な点は2つありました。1つ目は「費用」についてです。どれだけかかるのか最初は不安でしたが、契約にかかる費用や不動産の信託登記にかかる登録免許税などしっかりと説明をしてもらえたので安心できました。

2つ目は、信託契約の登場人物である受託者などの役割分担と責任についてでした。「家族信託をする事で、誰がどんな事をするのか」説明を受けることで理解できました。弟にも話をすると「兄さんに任せるよ」と言ってくれたので、まずは両親の近くに住んでいる長男である私が「受託者」になりました。
第二受託者に弟様に、受益者代理人にU様の奥樣になっていただき家族全員を巻き込んでの家族信託となりました。家族信託を行うにあたり家族全員でのお話をお願いいたしました。
弟はセミナーにも遠方から参加してくれましたし国本司法書士事務所での打合せにも来てもらいました。まずは兄である私が受託者としてしっかりと両親の財産管理を行い、万が一の時は第二受託者として弟に任せることができるので安心です。

妻は家族信託をスムーズに進めるために必要なのであれば引き受けますと、快く受益者代理人の役目を引受手くれました。
信託契約後、三井住友信託銀行で開設していただいた「信託口口座」で信託金銭を管理して頂いています。
信託口口座開設後に、不動産の固定資産税や火災保険の支払いのために自動引落の手続きを済ませました。今後は、委託者の父と相談をしながら現金を追加信託する予定です。
信託契約を締結にしてから約半年が経ちました。委託者のお父様は何かおっしゃっていますか?
先日の台風の際に父から「自宅の修理が必要かもしれないな。受託者に任せるよ」と連絡がありました。家族信託をする前は自宅の修理は父が自分でやらないといけない、と思っていたようですが、自宅を信託をしたことで受託者である私に「任せている」ので相談しやすくなったのではないかと、父を見ていて思います。一人で背負っていた責任を子供の私たちに任せることで父も気持ちが随分と楽になったのでしょう。
受託者としてのご感想をお聞かせください。
家族信託をして一番嬉しいことは、父の負担が減った事です。
父は母のことをずっと心配していましたので、家族信託をすることで私や弟に託すことができ、また自宅の不安も解消されたので、父が一人で抱えていた「不安」が「安心」になったのではないかと感じています。
U様の職場で、ご自分の家族信託を取り上げていただいて勉強会をされたとお聞きしてしています。職場の皆さんの反響はいかがでしたか?
「家族信託」という新しいスキームが10年ほど前から使えることを職場の同僚もほとんど知らないようでしたので驚いていました。家族信託の仕組みを使えば、相続争いや相続の揉め事、空き家の問題も解決できるきっかけになるのではないか、とそんな話にもなりました。
家族信託をご検討されている方や初めて家族信託を知ったという方に、ひとことお願いいたします。
ご両親の資産に自宅などの不動産がある方は特に早めに家族信託を検討されたほうがいいですね。

特に両親が認知症になってしまうと不動産の処分が難しくなりますから、元気なうちに「これからの両親の生活をどうしたらいいのか」「両親はどうしたいと思っているのか」を一度ゆっくりと家族で考えてもらって家族信託を一つの案として検討されたらどうでしょうか。

信託契約を締結した当事者として思うことは「家族信託なら家族の中で解決できる」ということです。両親が元気なうちに行えば、つまり早めに家族で動けば「家族で家族のことを解決できる」ということを皆さんに知ってもらいたいです。
■国本からのひとこと
打合せの際にU樣がこうおっしゃいました。

「両親には遺産を残してもらおうとは思っていません。両親の財産を両親のこれからの生活や介護のために全部使ってもらいたい。そのために家族信託をするのです。」

信託契約書の作成を担当していると、どうしても条文の文言や法律の細かい点ばかり気になってしまうことがあります。この言葉は信託契約書作成を担当する司法書士として忘れてはいけない「家族信託を行う根本の思い」だと今でも深く私の心に残っています。

私自身この言葉を大切にしながら、これからも家族信託に取り組んで行きたいと思います。
素敵な言葉を私に教えて頂いたU様ご家族の担当をさせて頂いたことは、私にとっては宝です。
ありがとうございました。

これからも家族信託のバックアップをさせていただきますので、これからの永いお付き合い、どうぞよろしくお願いいたします。

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