スタッフブログ
94歳の祖母に会ってきました
先日、母方の祖母に久しぶりに会いに行ってきました。
今年で94歳になる祖母。
昨年まで一人暮らしをしていましたが、足腰が弱ってきたため、
さすがに一人生活はむずかしく、今は施設の方にお世話になっています。
「おばあちゃん、元気?」と尋ねると、
「みっちゃん、駅前の事務所はあんじょー、上手くいってるのか?」
と逆に祖母からいきなり質問が。。。
(私の名前は美津子なので、祖母は「みっちゃん」と呼んでくれます)
(私の事務所はJR摂津本山駅前です!)
どうも祖母は「駅前で難し〜い仕事をしている孫のいるんです!」と
施設スタッフの人達におしゃべるいているみたい。
戦後、祖父母は大阪市内で町工場を立ち上げ、
祖母は工場を手伝いながら、母を含めて五人の子供を育てあげました。
町工場を郊外に移転し大きな工場になっても、施設に入る直前まで働き続けた祖母。
その祖母曰く
「駅前の事務所を大きくしたらあかんで!」
「商売は広げるよりも、小さくしてしっかりと信用を掴まなあかん!」と。
私がちょっと仕事のグチを話すと、
「みっちゃん、腹黒いのはあかん!」
「腹黒いと上手くいくことも、全部ダメになってしまうもんや」
その上、「商売は、いい時も悪い時もあるもんや」
「相手にも儲けてもらって、こちらも儲けさせてもらう。
相手あることだから、上手く考えて生きていきなさいよ」
ずっと働いてきた祖母だからこそ言えるそんな言葉です。
「辛いことがあっても、辛いと思う必要はない。
そんなもんやと、全部受け入れたら辛いことなんか無くなる。」
「こういう運命なんだから、と受け入れて、どうしたら上手くいくのか考えたらいい」
「考えて、自分が出来る事をやるべき事を、自分で動いたら、そしたら上手くいくもんやで」
「おばあちゃんは、五人の子供を一人前にしてやるべき事はやってきたから後悔はないわ。」
「みっちゃんも、後悔がない幸せやったな、と思えるようにこれからの人生生きて行ってや」
そして、祖母の娘、つまり私の母のことも気になるようで、
「みっちゃん、はるえちゃん(私の母のことです)のこと面倒みたってや」
「はるえちゃんは、子供の頃からゆっくりして頼りないから頼むよ」
祖母にとって母はいつまでも心配な娘のままなんですね。
なんだか、祖母と話をしていると涙が止まりませんでした。
祖母は事務所を開いている私のことがずっと心配だったそうです。
私が無茶していないか、女一人で苦労していないか、
時々、思い出して心配をしてくれていたそうです。
そんな祖母を見ていると、「美しい人」って何なんだろうかと思いました。
最近、「一生懸命」に働く事や生きる事があまり評価されない風潮です。
起こった事が理不尽でも全部受け入れて、
自分のやるべき事を自分で考えて、そして一生懸命に毎日を過ごしていく。
誰のものでもない自分の人生。
後悔せずに、自分の人生に責任を持って生きて行く。
戦後から仕事ばかりしてきた祖母こそ、理不尽なことも多かったはず。
口では話尽くせない苦労もあったはず。
それが運命だったんだからと今では受け入れている祖母。
私にとって祖母は、どんなに綺麗なお化粧をして美しい洋服を着ている人よりも
誰よりも美しい人です。
祖母はまだまだ元気ですが、お別れの時はそう遠くはありません。
祖母との会話は、何事にも代える事が出来ない祖母が私に遺してくれた遺言です。
おばあちゃん、またすぐに会いに行くね。
それまで元気でいてね。
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